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不登校の子の部活参加は迷惑?効果的な復帰の仕方と注意点を事例から考察

不登校の生徒が部活動にのみ参加することについて、多くの保護者や教育関係者からさまざまな意見があります。

おそらくこの問題に直面しているか、関心を持っている方も多いかもしれません。この記事では、不登校の生徒が部活動に参加することのメリットとデメリット、そして学校生活への復帰を目指す際に考慮すべき点について詳しく掘り下げていきます。

部活動が不登校生徒にとってプラスとなる場合や、顧問や担任、同級生との関係性にどう影響するか、また、部活動参加の是非について、教育関係者や他の生徒の意見がどう影響するかについても触れていきます。

部活動が不登校からの復帰にどう役立つのか、あるいはその逆になるのか、その疑問に対する答えを探していきましょう。

ポイント

・部活のみに行っても良い場合とそうではない場合

・その判断基準

・部活や課外活動を利用して教室復帰させる方法

目次

不登校の子の部活参加:迷惑なのか?

不登校 部活 辞めるべき?

不登校生徒が部活動を辞めるべきか否かは、部活動が彼らにとってどのような意味を持っているかに大きく依存します。

部活動が生徒にとってポジティブな役割を果たしている場合、例えば仲間との繋がりを強化し、自尊心を高める場となっている場合は、辞めることは慎重に検討すべきです。

一方で、部活がストレスの主な源であり、生徒の精神的負担を増大させている場合や、学業の妨げとなっている場合は、退部を考える余地があります。

退部の決定は、生徒本人の気持ちを最優先に考える必要があります。自分の感情や体調、学業とのバランスを考慮し、保護者や学校のカウンセラー、顧問教員との密接なコミュニケーションを通じて、最適な選択を模索することが重要です。

また、部活動を辞めることが生徒にとって大きな変化となるため、退部後のサポート体制や、他の趣味や活動への参加を促すことも、生徒の精神的な健康を維持する上で有効な方法です。

さらに、部活動を辞める決断をした場合でも、生徒が学校生活や社会生活においてポジティブな関わりを持ち続けられるよう、退部に伴う心理的影響を最小限に抑えるためのアプローチが必要です。

部活動から離れた後も、生徒が自己肯定感を保ち、新たなコミュニティに参加する勇気を持てるよう、継続的なサポートと理解が求められます。

不登校で部活だけ参加はあり?

不登校の生徒が部活動にのみ参加することには、一見矛盾するように見えるかもしれませんが、この選択が持つメリットとデメリットを深く理解することは、教育関係者や保護者にとって極めて重要です。

部活動への限定的な参加が生徒にとってプラスとなる主な理由は、社会的なつながりを維持し、学校との絆を保つ機会を提供することにあります。具体的には、同じ目的を持つ仲間と共に活動することで、生徒は孤立感を克服し、自己肯定感を高めることができます。

また、部活動が生徒にとって有意義な経験である場合、これが動機づけとなり、徐々に学校生活へのスムーズな復帰へと繋がる可能性もあります。

しかし、部活動のみに参加することのデメリットも無視できません。部活動への参加が学業の妨げになることや、部活動のみへの参加が他の生徒や教員からの理解を得られず、社会的な断絶を招く恐れがあることです。

さらに、部活動だけに参加することが生徒の不登校を正当化する結果になり、根本的な問題解決に繋がらない場合も考えられます。

したがって、部活動だけに参加する決定は、生徒の精神的な健康、学業の進捗、学校との関係性、そして生徒が部活動から得られる可能性のある利益を慎重に考慮した上で行う必要があります。

この選択をサポートするには、保護者、教員、カウンセラーが一丸となって、生徒の感情や意見に耳を傾け、生徒一人ひとりのニーズに合わせた個別のサポートプランを策定することが不可欠です。

部活はスモールステップの一要素

不登校生徒が学校生活に復帰する道のりは多様であり、その中で部活動はスモールステップの一つとして重要な役割を担っています。部活動への参加は、生徒にとって学校とのポジティブな接点を作り出す機会を提供し、学校全体への復帰への道を段階的に整えることができます。

たとえば、ある生徒が部活動に参加することで、同じ趣味や関心を持つ友人を再認識し、学校に対する前向きな印象を再構築することが可能になります。こういった生徒は、部活動を通じて得た信頼感と居場所の感覚が、徐々に授業への参加へとつながり、最終的には完全な学校復帰を果たりします。

成功例では、部活動が生徒に自信を与え、社会的スキルを向上させる場となることが多いです。例えば、スポーツ部活動に参加した生徒がチームワークやリーダーシップを学び、その経験が学業や他の社会活動への積極的な参加に繋がったケースがあります。

また、文化部活動では、共同プロジェクトを通じて創造性や問題解決能力を養うことができ、これらの能力が学校外の環境でも役立つことが実証されています。

しかし、部活動をスモールステップとして取り入れる際には、生徒の現在の心理的状態や学業の負担を十分に考慮する必要があります。

部活動への参加を強制するのではなく、生徒が楽しめる活動を選択し、彼らのペースで進めることが重要です。このプロセスにおいては、保護者や教員、カウンセラーが連携し、生徒のニーズに合わせたサポートを提供することが成功の鍵となります。

最終的に、部活動をスモールステップの一要素として取り入れることは、不登校生徒が学校生活に復帰するための効果的な戦略の一つと言えます。部活動を通じて学校とのポジティブな関係を再構築し、学業への復帰を段階的に進めることで、生徒は自信を持って学校生活に戻ることができるようになります。

 

注意点:顧問や担任や仲間の考えを把握する

不登校生徒が部活動に参加を考える際、顧問教員、担任教員、そして部活の仲間たちの意向を理解し、適切に調整することが極めて重要です。

これは、部活動へのスムーズな参加だけでなく、生徒自身の心理的な負担を軽減し、ポジティブな経験につなげるために不可欠なステップと言えます。

ここを見誤ると顧問に厳しく指導されたり、他のメンバーに「迷惑だ」と思われたりします。

まず、顧問や担任の先生には、生徒の不登校の背景や部活動への参加意欲、そして現在の心理的状態について詳細に説明することが重要です。

このプロセスでは、生徒と教員間でのオープンなコミュニケーションが鍵となり、教員が生徒の状況を正確に理解し、適切なサポートを提供できるようになります。

例えば、部活動への参加時間を柔軟に調整する、特定の活動のみに絞って参加するなど、生徒の状況に合わせた提案が可能です。

また、部活の仲間たちとの関係も非常に重要です。部活動は同じ目的を持つ仲間が集まる場であり、彼らからの理解と支援は生徒にとって大きな励みになります。

生徒本人や保護者から直接、仲間たちに状況を説明する機会を設けることも一つの方法ですが、顧問教員を通じて仲間たちに状況を共有し、理解を求めることも効果的です。

これにより、生徒は部活動内での居心地の良さを感じやすくなり、学校生活全体への復帰への意欲も高まる可能性があります。

コミュニケーションの際には、正直かつ積極的な態度で、生徒の希望や不安を率直に伝えることが大切です。

また、教員や仲間たちからのフィードバックや提案に対しても、柔軟に耳を傾け、受け入れる姿勢を持つことが重要です。このような相互理解に基づいたアプローチにより、不登校生徒が部活動を通じて学校生活に再び馴染むための強固な支援体制を構築することができます。

不登校 部活 復帰できる?

不登校生徒が部活動を通じて学校生活に復帰することは可能ですが、そのためには戦略的なアプローチと心理的な準備が必要となります。

このプロセスには複数のステップが含まれ、それぞれで生徒、教員、家族が協力して取り組む必要があります。以下に、成功に向けた具体的な戦略と心理的な障壁の克服方法を紹介します。

ステップ1: 現状の評価

まずは、生徒が不登校に至った原因を明確に理解することが重要です。これには、心理的な要因、学校での人間関係、学習のストレスなど、複数の要素が関連している場合があります。この評価を通じて、部活動が生徒にとってポジティブな影響を与えるかを判断します。

ステップ2: 目標の設定

復帰に向けて、短期的および長期的な目標を設定します。短期的な目標は、例えば「週に1回、部活動に参加する」など、具体的かつ達成可能なものにすることが望ましいです。長期的な目標は、「学校生活に完全に復帰する」など、より大きなビジョンに設定します。

ステップ3: 準備とサポート体制の構築

復帰に向けての準備として、生徒が部活動に参加しやすい環境を整えます。これには、顧問教員や部活の仲間との事前の打ち合わせが含まれます。また、心理的なサポート体制を構築し、生徒が不安やストレスを感じたときに相談できる体制を整えます。

ステップ4: 実行と評価

具体的なステップに基づき、部活動への参加を開始します。この過程では、定期的に生徒の心理状態や学校への適応度を評価し、必要に応じて計画を調整します。また、小さな成功を積み重ねることで自信を養い、長期的な目標達成につなげます。

 

家族によるサポート

家族は、生徒の復帰プロセスにおいて重要な役割を果たします。生徒が感じる不安を和らげ、目標達成に向けたモチベーションを支えるために、積極的なサポートと理解を示すことが求められます。

家族は、生徒が感じるプレッシャーやストレスを軽減するための安全な場を提供し、生徒の感情を受け止めることができる存在であるべきです。

また、生徒の小さな成果や努力を認識し、肯定的なフィードバックを提供することで、自己効力感を高めることができます。

部活動を通じた学校復帰の成功には、生徒自身の意欲と努力、教員や仲間からのサポート、そして家族による愛情と理解が不可欠です。

この連携により、不登校生徒は学校生活へのスムーズな復帰を果たし、再び学校生活の一員として成長することが可能になります。

復帰プロセスは一人ひとり異なり、困難に直面することもあるでしょう。しかし、適切な準備とサポートがあれば、多くの生徒がこの挑戦を乗り越え、新たな自信と学びを手に入れることができます。

最終的には、部活動をスモールステップとして活用することで、生徒は学校生活における豊かな経験を再び享受することができるのです。

部活以外にも様々な復帰のルートがある

部活動以外の活動が不登校生徒の教室復帰に役立つ理由は、生徒が自分自身と向き合う機会を提供し、新たな自己理解と自己受容の道を開くからです。

例えば、芸術活動に参加することで、生徒は感情を表現し、ストレスを解消する手段を見つけることができます。このような表現の自由は、自己効力感を高め、生徒が自分の内面と対話することを促します。

ボランティア活動による社会貢献は、生徒に責任感と達成感を与え、他者との関わりを通じて社会的スキルを磨く機会を提供します。こうした活動は生徒に、自分が社会の一員として価値があるという実感を持たせ、学校というコミュニティへの復帰意欲を高めます。

また、スポーツクラブや趣味のサークルなど、部活動以外での集団活動は、生徒が同年代の仲間とのつながりを再構築し、孤立感を軽減する手助けとなります。共通の興味を持つ仲間との関係は、生徒が学校生活においてもポジティブな関係を築く基盤となり得ます。

これらの代替的な活動は、生徒が自己を発見し、新たな関心や才能を開花させる機会を提供します。生徒が自己成長の過程で感じる達成感や喜びは、学校生活への復帰意欲を高める強力な動機付けとなります。教室への復帰は、単なる義務の履行ではなく、自分自身の可能性を探求し、拡大する旅の一環として捉えられるようになるのです。

部活動以外の活動からの教室復帰は、生徒にとって学校がただの学習の場ではなく、自己実現と成長の場であることを再認識させます。これらの活動を通じて育まれた自信と社会性は、生徒が学校生活をより豊かに、積極的に楽しむための基盤となります。

実際に復学につながった活動をいくつか列挙します。

プログラミング・動画編集

プログラミングなどのITスキルを発揮して自分を表現する活動は子供の自己肯定感や自己効力感を高めるのに向いていたりします。そこで出会った先生と将来の夢を語り合いモチベーションを取り戻したりすることがあります。

ボイストレーニング

最近の歌い手ブームからか大人しい子でも意外に関心があるようで殻を破ることにつながることがあります。大会やオーディションにまで参加した子もいました。当然に教室に入れるようになりました。

音楽教室で楽器の演奏

ドラムやギターなどの楽器の演奏は生徒の自己表現と自己効力感を高めることが多いように思います。実際に熱中するようになると心のよりどころになりポジティブな影響があるようです。

絵画教室

絵を描くことが好きな子は多く描くことによりストレス解消になることが多いようです。子供だと言語化が苦手だったりしますが絵を通して表現することで癒されたりします。

ボランティア

ボランティア活動は様々な人と触れ合うことにより心境に変化が生まれるようです。町内会でのボランティアから海外でのボランティアまで様々ですが、誰かの役に立つという活動は自己効力感の向上につながっています。

卓球やテニスなどのスポーツ教室

学校外で身体を動かすこともゲーム以外で熱中出来て体力もつくために大きな自信につながることが多いように見えます。家庭内でできるピンポンゲームから本格的な大会参加まで幅広く楽しめます。

 

空手やキックボクシングなどの格闘技

格闘技は大きな自信につながることが多い活動です。思春期は上達も速いのでそんなに強そうな子でなくても想像以上に上達したりします。そうなるとセルフイメージも変わり少しのことではくじけなくなります。

失敗例:顧問の反対

ここでは部活動への参加を希望しても、顧問教員の反対に遭遇し、部活動参加が困難になった事例についてご紹介します。

C君はバスケ部に所属しています。半年ほど不登校が続いていました。その後、C君は勉強を始めてじょじょに部活や授業に出れるようになってきました。

ところがC君は体調が悪くまた休みがちになりになってきました。そんなある日、C君はバスケ部の練習に参加しました。C君はバスケ好きで大会にも意欲を持っていたからです。

そこで顧問の先生が注意しました。「授業に参加せずに部活だけ参加するのはダメだよ」と。

C君は大変に傷つき部屋に閉じこもるようになりました。顧問の先生には全く悪気はなかったのですが、顧問の先生の言うことにも一理あり(顧問の上の管理職の先生の意向もあるでしょうし)難しい所です。

反省としては顧問の先生に事前に根回しをしておけば良かったということでしょうか。学校の先生や生徒の考えを把握しておくことが大事だと思わされたケースでした。

 

成功例:顧問の受け入れ

今度は顧問教員が不登校生徒の部活動参加を受け入れ、その結果として生徒が学校生活に復帰することができた成功例に焦点を当てます。

D君は演劇部に所属しています。不登校ではありますが顧問の先生や友達と話して演劇部の練習には参加するようになりました。

授業に参加できなくても部活にのみ参加して良いと顧問の先生が学校を説得してくれたのです。また部長が他の生徒たちの意思を統一していました。

D君は放課後に練習に参加し劇内での役ももらっていました。参加できなかったらどうしようと本人も親も先生や他の子も思いましたが「その時はその時だ」となったそうです。参加できない場合も最小限の変更で済む台本もあったようです。

D君はじょじょに別室から教室に復帰していきクラス替えでは仲の良い子の多いクラスにしてもらうなどの配慮もあり完全登校できるようになりました。

まとめ:不登校の子の部活参加は迷惑か?

以上、不登校生徒が部活動に参加することのメリットとデメリット、そしてその過程で必要となる顧問や担任教員、そして同級生や部活の仲間たちとの協力の重要性について見てきました。

部活動を教室復帰へのスモールステップとして捉えた際に、不登校生徒とその家族が考慮すべきポイントを確認してきました。

また、部活動だけに限らず、学校外の活動も含めて生徒が学校生活に復帰するための多様なルートを探求することについても確認してきましたね。

どの道を通るにしてもこちらの記事が不登校のご家庭や本人にとって一助となれば幸いです。

 

PS:下記は部活に参加したいが教室は厳しいという方への動画です。

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