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不登校の高校生(進学校)の復帰のコツと成功事例

進学校に通う高校生の中には、様々な理由で不登校になるケースがあります。

この記事では、進学校での不登校の現状、その原因や対処法について深掘りしていきます。

さらには経験者のアドバイスや不登校の原因などを探ります。また、進学校での不登校からの教室復帰事例や通信制高校や高卒認定試験を利用した大学進学の可能性などについても。

そして親ができるサポート方法、自己肯定感の育成や失敗に対する耐性の重要性、家族会議での意思決定の効果など、不登校を乗り越えるための具体的な方法を紹介します。

学校に通う高校生の不登校問題に直面している保護者や生徒の皆さんに、有益な情報を提供することを目指します。

ポイント

  1. 進学校での不登校高校生の割合と現状
  2. 優等生の息切れや自我の芽生えが不登校の原因
  3. 不登校からの復帰方法や通信制高校、高卒認定試験の進路選択
  4. 不登校高校生を支援するための親の役割と家族会議の重要性
目次

進学校での不登校の高校生の現状と対応

進学校での不登校は決して珍しいことではありません。現在、日本全国で進学校に通う高校生の中には、様々な理由で学校に行けなくなってしまう生徒が少なくないのです。毎年、当塾にも多くの相談の声が寄せられます。

筆者もそれなりの進学校である高校で不登校になった人の一人です。私立の中高一貫校での不登校に関しても別記事でご紹介していますのでよければお読みください。

この記事では、不登校の高校生たちが直面している問題と、その解決策について探ります。

進学校 不登校 知恵袋:経験者のアドバイス

不登校になった高校生やその保護者からの相談に答える「進学校 不登校 知恵袋」では、実際に不登校を経験した人々の貴重なアドバイスが数多く寄せられています。

進学校、高校一年生、不登校です。 行かなきゃいけないのは分かっていますがクラスに馴染めず行けません

親は毎日泣いています 中学校の時に莫大な塾費用をかけて合格した高校だからだと思います 中学の時は生徒会や応援団をやっていたので、今とのギャップがショックなんだと思います

でも自分ではどうすることも出来ません 通信制高校に転校するにも人間嫌い?になってしまい通学する勇気がありません 周りに不登校は居ません

イライラして親に八つ当たりもします このまま自分は落ちていくんでしょうか

進学校からの不登校、引きこもりから這い上がった人は周りに居ますか? 自分次第なのは分かっていますが今の自分には勇気がありません 希望が持ちたいです ヤフー知恵袋より

素晴らしくしっかりとした子ですね。文章も分かりやすいですね。

進学校からの不登校、引きこもりから這い上がった人は周りに居ますか?

もちろんたくさんいます。この質問は何年か前のものですが、この方も今は大学生となって人生をエンジョイしているのではないでしょうか。

実際、Q&Aサイトでもこんな回答がありました。

私も事情で進学校から途中で通信制高校へ転校した者です。その後大学と大学院に行って普通に社会人をしていますが。

意外に身近で知らないだけでたくさんの人がこういうルートをたどっていたりするのかもしれません。ちなみに筆者も家でブラブラしている時に近所の子が高校中退して大学に行ったと聞いて勇気づけられた記憶があります。

進学校での不登校の割合

文部科学省の調査によると、高校生全体の中で不登校者の割合は1.7%という統計が出ています。これは進学校においても同様。(国立高校などのデータを見ても)

ちなみに病気で欠席の人が1%ほどいます。それは不登校とカウントされていませんがうつ病などの不登校的な休み方をしている生徒もいると推測されます。

令和4年度の高等学校における不登校児童生徒数は、60,575人(前年度50,985人)で、前年度から9,590人(18.8%)増加しています。

多くの教育関係者と話すとこの傾向は今後さらに増加するであろうとの予測をよく聞きます。不登校問題の深刻さを浮き彫りにします。

原因1:優等生の息切れ

不登校の原因として「優等生の息切れ」という現象があげられます。優等生と呼ばれる生徒たちは、激しい学業のプレッシャーによって「息切れ」を起こし、不登校に陥ることがあるのです。

彼らは高い学業成績を維持するほかに、部活や生徒会などの活動も手を抜かず小中高と来ているために過度なストレスや疲労を感じやすいのです。冒頭のQ&Aサイトの子も生徒会や応援団などに前向きに取り組んでいたとあります。

親も泣いていたとあるので親や先生の期待も自然と高かったのでしょう。こうした生徒たちには、適切な休息やストレスマネジメントの方法を提供することが重要となります。

原因2:自我の芽生え

高校生は自我が特に芽生える年齢であり、自分自身と周囲の期待との間で葛藤を抱えることが多いです。

小学生であれば親や先生の言うとおりに勉強します。中学生でもそうかもしれません。しかし、高校生になると親や先生の言うことを聞くかというと聞かない子が出てきます。

これは自立へ向けたチャレンジなのですが進学校では宿題が多く出ます。その宿題や課題を自分ではマネジメントできずに学業でついていけずに不登校になることはよくあります。

この自我の芽生えが不登校の一因となることもあります。本来の自分に目覚めつつあり一環ではありますので生徒が自分自身を理解し、自己肯定感を高めることが大切です。そうすると適切にソフトランディングできます。

サポートのポイント

不登校の子どもを持つ親は、子どもの気持ちを理解し、無理強いせずに支えることが求められます。子どもの話をじっくり聞き、共感を示し、必要に応じて専門機関への相談することも重要です。

親が積極的に関わることで、子どもは自分が理解され、支持されていると感じ、復学への一歩を踏み出しやすくなります。

子供は冒頭のQ&Aサイトの子のように大変不安になっています。表面的には反抗期でぶっきらぼうであっても。ポジティブな声がけ、愛情を伝える声がけをすることが大切です。

「いつも味方だよ」

「他にも乗り越えた人はたくさんいるし大丈夫だよ」

「あなたはここらへんが素晴らしいね」などなど。

直接に話すのが難しい場合は手紙やラインなども有効です。

また、声がけだけではなく共同作業もポジティブな循環を生み出しやすいです。料理、掃除、雪かき、釣り、キャンプ、サッカー、ボードゲームなどなど。

筆者は家で料理を母とやっていて自信を持った記憶があります。レシピ通りに作れば「やればできるんだ」と。自信がついたものです。

自己肯定感の重要性:心の回復を促す

自己肯定感を高めることは、不登校生徒の心の回復にとって極めて重要です。自分自身を肯定し、自己価値を認識することで、自信を取り戻し、前向きな気持ちで未来に向かう力を養うことができます。

自己肯定感については別サイトで詳しく説明しています。

失敗に対する耐性:逆境を乗り越える力

失敗を経験することは、人生において避けられないものです。不登校生徒にとって、失敗を恐れずに挑戦する勇気を持ち、失敗から学ぶことは、逆境を乗り越える大切なスキルとなります。

失敗に対する耐性を養うことで、困難な状況でも立ち直る力を身につけることができます。親や先生も様々な失敗をしてきたと繰り返し話をすることが大事です。

優等生の子は失敗をしない人生があると幻想を抱いていたりします。無理もありません。小中と何でも前向きに成功してきた子もいるのですから。

なので、我々大人が恥をかいて様々な失敗を伝えてあげることが大事になります。話を聞くことで今後の人生のシミュレーションになり大きな力になるのです。

家族会議で意思決定:解決への道筋

不登校に関する問題解決のためには、家族会議を定期的に開催し、家族全員で意思決定を行うことが効果的です。この会議では、子どもの意見を尊重し、家族全員が一致団結してサポートする方向性を定めます。

家族の結束が、子どもの不登校問題解決に大きく貢献します。言うのは簡単で実際に実行するのは大変に難しいことですが諦めなければ必ず出来ます。

下記は子供を家族会議で説得するコツについて説明した動画です。

進学校での高校生の不登校生の進路選択

不登校を経験した高校生の進路選択には、さまざまな可能性があります。今の時代は特に多様な選択肢が存在します。

教室復帰

教室に復帰するのがオーソドックスな選択肢です。学校と連携をしながら本人に登校を促していくことが大事です。そのためには反抗期の本人との信頼関係が重要で、ポジティブな声がけを続けることが大事です。

通信制高校に転校して大学へ

通信制高校は、不登校の生徒にとって非常に有効な選択肢の一つです。通信制高校では登校日数が少なく、個々のペースで学習を進めることができます。

また、通信制高校卒業後には大学進学の道も開かれており、不登校生徒にとっては新たな希望を見出すことが可能です。

高卒認定試験から大学へ

高卒認定試験を利用することで、大学進学のチャンスを得ることもできます。この試験は、高校を卒業しなかった人に高校卒業と同等の資格を与えるもので、不登校の生徒にとっては、伝統的な学校教育の枠を超えた学習のチャンスを提供します。

 

下記では実際の事例をご紹介します。

事例1:優等生の不登校の教室復帰

A君は高3の6月から学校に行けなくなりました。なぜ行けないのかは自分でもわからず。先生や周りの友達も「あの前向きなA君が来ないとは」と驚いていました。

どうやら引退前の部活に体育祭に修学旅行に受験勉強にと頑張りすぎたようです。ここ何年かの努力が心と身体にきたのでしょう。

A君の家でも不登校は晴天の霹靂。A君のお母さんはポジティブな声がけをこころがけ自己肯定感を高めるような接し方を懸命にされました。A君の父親は単身赴任が長いのですが帰ってきてA君と関わるようになりました。

そこから家族会議を繰り返し、学校側の暖かい対応もあり、1学期末から学校に復帰することができたのです。親御さんも優等生的な対応でしたね。

事例2:超進学校を退学して通信から大学へ

B君はそこまで頑張らずに超進学校に合格しました。高校受験では親御さんがB君を管理しつつ塾に通い奇跡的に超進学校に通うことに。

しかし、B君は勉強よりは他のことに興味がありました。そして超進学校の授業の進みは早く、出される課題や宿題も膨大なものに。手つかずのプリントが山のように積まれる状態となりました。B君は以前のようには親や教師の言うことを聞きませんでした。

明らかに学校が合っていない。少なくとも自我が芽生えたB君には。相当に努力しても追いつけるかは怪しいところ。

そこで通信制の高校に転校し、高校受験とは違い自分のペースで自律的に勉強し大学に合格しました。大学ではB君がやりたいことである海洋生物学の研究をしています。

まとめ:進学校の高校生の不登校の特徴と対策

不登校の高校生、特に進学校に通う生徒たちが直面する問題は多岐にわたります。しかし、適切な対応とサポートによって、これらの問題は克服可能です。

家族、学校、専門機関と連携し、生徒一人ひとりの状況に合わせた対策を講じることが重要です。また、不登校からの復帰後も、多様な進路選択が可能であることを認識し、生徒たちが自信を持って未来に向かって歩んでいけるよう支援することが求められます。

不登校は、生徒にとって大きな試練ですが、それを乗り越えた先には新たな可能性が広がっています。

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