不登校の子どもを持つ保護者の方の中には、
「このままどうなってしまうのだろう…」という不安をかかえながら、
通信制高校という選択肢を検討されることも多いかと思います。
親世代にはあまりなじみがなく、
「通信制ってちゃんと卒業できるの?」
「将来の進路はどうなるの?」
といった疑問を持たれるのも自然なことです。
しかし現在では、通信制高校は単なる「受け皿」ではなく、
多様な学び方を支える重要な教育の場となっています。
ICTの活用や進学・就職支援の充実により、
不登校を経験した生徒が再スタートを切る上での有力な選択肢となりつつあります。
本記事では、16年間にわたり多くの不登校生徒とその保護者を支援し、
通信制高校卒業後の進路を定点観測してきた筆者が、
「通信制高校の本当の姿」や「進学・就職における実態」、
「注意すべき点とメリット」について、
具体的な事例と数字を交えてわかりやすく解説します。
不登校を経験した子どもたちには、
ある“共通点”があると感じています。
それは、
将来に活かせる大きな可能性を秘めているということ。
私自身が元・不登校だったことに加え、
16年間多くの不登校の子どもたちを見守ってきた経験から、
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不登校から通信制高校に進学した生徒たちのその後
通信制高校進学は「人生の終わり」ではない
「通信制高校に進学すると人生が終わる」といった誤解が一部にありますが、
これは事実とは異なります。
実際、通信制高校から大学や専門学校への進学、
就職を果たす生徒は多数存在します。
文部科学省の「学校基本調査」(令和4年度)によれば、
通信制高校の卒業生の進路は以下のようになっています。
-
大学進学率:約23.1%
-
専門学校進学率:約25.5%
-
就職率:約19.5%
-
進路未定(フリーターや浪人などその他):約30.9%
これらの数字からも分かるように、
通信制高校からでも多様な進路が開かれており、人生の選択肢は豊富に存在します。
中学時代の不登校から通信制高校を経て大学進学も可能
中学時代に不登校を経験した生徒が、通信制高校で学び直し、
大学進学を果たすケースも少なくありません。
通信制高校では、自分のペースで学習を進められるため、
過去の学習の遅れを取り戻しやすい環境が整っています。
また、進学支援や個別指導を行っている学校も多く、
目標に向かって着実に歩むことが可能です。
筆者の生徒も多くが塾や家庭教師を利用しながら、
有名大学に進学しています。
実際の合格校はこちら。
他にも早慶やなどの私立全日制高校や難関私立中学にも合格が多数
ブランク期間があることを考えると
すごいことだと思います。
ただし、通信制高校への進学には注意点も存在します。
注意点①通信制高校の中退率とその背景
通信制高校の中退率は、全日制高校に比べて高い傾向があります。
文部科学省のデータによると、
通信制高校の中退率は約5.5%と報告されています。
中退の主な理由としては、学習意欲の低下、
生活リズムの乱れ、孤立感などが挙げられます。
通信制高校は自己管理が求められるため、
ご家庭でのフォローを考える必要があります。
(もちろん全日制高校に進学した場合でもご家庭でのフォローは必要ですが)
注意点②通信制高校卒業後の進路が決まらない人の割合
通信制高校の卒業生のうち、
進学や就職などの進路が未定のまま卒業する生徒の割合は約30.9%と報告されています。
この数字は、全日制高校の約4.4%に比べて高い数値です。
進路未定の背景には、将来の目標が定まっていない、
情報不足、サポート不足などが考えられます。
そのため、在学中から進路指導やキャリア教育を受けることが重要です。
ただし、この中には浪人生なども含まれていて多くの生徒が浪人を経て
有名大学に進学しています。
また、社会経験としてアルバイトを複数経験してから、
大学進学・就職などを選ぶ生徒も存在します。
プライドの高さ(向上心)やじっくりと社会で経験をつんでから進路を決めたいという
ポジティブな動機も多く含まれます。
ご家庭で向き合うことが必要となるでしょう。
学校にお任せだけでスムーズにいくかは微妙なところでしょう。
不登校から全日制高校への進学:メリットとデメリット
不登校でも全日制高校に進学することは可能です。
メリット・デメリットを慎重に考えることが重要です。
不登校でも行ける私立高校は東京にもたくさんある【体験に基づくリアルな話】
メリット:
-
集団生活を通じて社会性を養える
-
進学や就職の選択肢が広がる
デメリット:
-
再び不登校になるリスクがある
-
学習進度についていけない可能性がある
全日制高校への進学は、社会性の回復や進路の幅を広げる点で有利ですが、
再度の不登校リスクや学習面での不安も伴います。
自分の特性や状況をよく考慮することが大切です。
不登校から通信制高校への進学:メリットとデメリット
メリット:
-
自分のペースで学習できる
-
精神的な負担が少ない
- リハビリが容易である
- 友人も同じ境遇であり人間関係を構築しやすい
- 多様なクラブ活動があり趣味が合うとより楽しい生活ができる
デメリット:
-
自己管理能力が求められる
-
社会性を養う機会が少ない
- 塾や家庭教師などの助けが必須となる
通信制高校は、自分のペースで学べる点が魅力ですが、
自己管理が難しい場合や社会性の面で課題を感じることもあります。
サポート体制やスクーリングの充実度を確認することが重要です。
実例紹介:不登校からの大学進学成功事例
青山学院大学への進学事例(全日制高校経由)

青山学院大学のキャンパス
中学時代に不登校を経験していた生徒が、
内申点を気にせず受験できる私立の全日制高校に進学。
最初は人間関係への不安や授業の遅れに戸惑いながらも、
少人数制クラスや丁寧な生活指導に支えられ、徐々に学校生活へ適応。
高校2年からは成績も安定し始め、担任や進路指導の先生との面談を重ねて、
校内の指定校推薦枠を目指して努力を継続。
その結果、青山学院大学への指定校推薦に合格。
大学進学後も、プレゼンやレポートの機会に強く、
むしろ不登校経験を糧にした自己表現力で活躍しています。
早稲田大学への進学事例(通信制高校経由)
中学時代から長期の不登校を経験した生徒が、
自分のペースで学べる通信制高校に進学。
最初の1年は自己管理に苦労しつつも、
スクーリングやレポート課題を通じて学ぶ習慣を構築。
高校2年以降はオンライン教材や予備校を併用し、
本格的に大学受験に向けた勉強を開始。
同時にアルバイトやNPO活動にも参加し、「教育格差」への関心を深め、
志望理由書にもその体験を盛り込む。
自己推薦ではなく一般入試を選び、
社会科学系への明確な志望動機と継続的な学力の積み重ねで、
早稲田大学社会科学部に合格。
不登校の期間に得た「自分の興味と向き合う時間」が、
志望校選びにおいても大きな武器になったと語っています。
これらの事例からも明らかなように、不登校という経験があっても、
「どんな環境で学ぶか」「どのような支援を受けるか」
そして「自分自身がどう向き合うか」によって、
希望する進路を実現することは十分可能です。
失った時間にとらわれすぎず、
自分の軸を見つけて行動に移すことが、次のステージへの鍵となります。
まとめ:不登校から通信制高校に進学した生徒のその後
不登校や通信制高校への進学は、
決して「人生の終わり」ではありません。
それはむしろ、自分自身の価値観や生き方と向き合い、
新たなスタートを切るための第一歩です。
実際に、通信制高校で自分のペースを大切にしながら学び、
大学進学、専門学校、起業、海外留学、社会活動への参加など、
多様な進路を歩んでいる卒業生は多数います。
しかし、そこに至るまでの過程は決して簡単ではありません。
自己管理力の不足から中退してしまう生徒もいれば、
目標が定まらず進路未定のまま卒業するケースもあります。
重要なのは、自分に合った環境を見極めること、
そして早い段階から進路について考え、行動を起こすことです。
進路選択に迷ったり、不安を感じたりしたときは、
一人で抱え込まず、
信頼できる教育支援サイトや経験豊富な専門家に相談することを強くおすすめします。
適切な支援を受けることで、
不登校という経験を「マイナス」ではなく「財産」に変えていくことが可能です。
不登校を経験した子どもたちには、
ある“共通点”があると感じています。
それは、
将来に活かせる大きな可能性を秘めているということ。
私自身が元・不登校だったことに加え、
16年間多くの不登校の子どもたちを見守ってきた経験から、
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✅ 記事のまとめポイント
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通信制高校への進学は「人生の終わり」ではなく、新たなスタート
不登校経験者にとって自分らしく学べる再出発の場となる。 -
通信制高校から大学進学・就職する生徒は多数存在
大学進学率23.1%、専門学校25.5%、就職19.5%という実績がある。 -
中学時代不登校でも大学進学は十分可能
学習習慣と計画力が整えば、高校以降で挽回できる。 -
通信制高校の中退率は約5.5%とやや高め
自己管理能力やサポート体制の有無が鍵となる。 -
卒業後の進路未定者が約30.9%存在
在学中から進路意識を高める必要がある。 -
全日制高校に進学することのメリット・デメリット
社会性の回復や進路の幅は広がるが、再不登校リスクも。 -
通信制高校のメリットは柔軟な学び、自分のペース
一方で孤立しやすく、サボり癖がつくことへの注意も必要。 -
青山学院大学に進学した元不登校生の事例
私立全日制→成績向上→指定校推薦合格という流れ。 -
早稲田大学に進学した通信制高校卒業生の事例
通信制+自学+社会経験→一般入試合格という努力の成果。 -
不登校の経験は「マイナス」ではなく「学びの糧」になりうる
志望理由や進路選択に深みを持たせることも可能。 -
進路選びでは「合う・合わない」を丁寧に見極めることが重要
学校の特色や支援体制を事前によく確認する。 -
進路に迷ったら、教育支援の専門家に相談するのが賢明
信頼できる第三者の視点で方向性が見えてくる。 -
通信制高校は選択肢のひとつであり、回復のプロセスそのもの
生徒本人が「自分の人生を取り戻す場」として活用できる。
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