不登校になるとお風呂に入らない?その背景と親ができること

「不登校になってから、うちの子がまったくお風呂に入らない」

そんな声を、多くのご家庭から耳にします。

ただでさえ学校に行けないことで不安があるのに、
生活面まで崩れてしまうと、親としては心配も募るものですよね。

この記事では、

✅ なぜ不登校になるとお風呂に入らなくなるのか

✅ 背景にある子どもの心の動き

✅ 親ができること


について、
実際の支援現場での経験をもとにお伝えします。

焦らず、安心して読んでいただけたらと思います。

目次

不登校とお風呂に入らないのはよくある現象

不登校になると、生活リズムが大きく崩れがちです。


昼夜逆転したり、活動量が極端に減ったりすることで、
そもそもお風呂に入る意欲が湧かなくなる子も珍しくありません。

特に、外出や人と会う予定がないと、

「別にきれいにする必要ないし…」

と感じてしまうこともあります。

これは決して珍しいことではなく、
同じ悩みを持つ親御さんはたくさんいます。

メンタルの病気ではないと言われるケースが多い

「うちの子、何か病気なんじゃないか…」

と心配して医療機関に相談される方もいますが、

実際には「病気とは診断されない」ケースがとても多いです。
(病院に行かない場合も多いのですが)

つまり、医学的な異常がないまま、
本人の心の状態や生活環境によって一時的に起こる現象だということ。

親としては理由がわからず不安になりますが、
まずはこの点を知っておくだけでも、
少し安心できるのではないでしょうか。

お風呂に入らないでも発達障害と診断されてない子も多い

また、「発達障害があるのでは?」
と疑う声も少なくありませんが、


実際には発達障害の診断がない子にも、
同じような行動が見られます。

「発達障害だから」「病気だから」と単純に結びつけるのではなく、

誰にでも起こりうることと受け止めることが大切です。

中学生女子に特有の理由もある

特に中学生女子の場合、
また違った背景が見られることもあります。


思春期を迎え、
自分の身体に敏感になる時期。


体型や体毛、成長による変化を直視したくなくなり、
入浴自体を避けることがあるのです。

この場合、単なる「怠け」や「だらしなさ」ではなく、

心の繊細な問題が絡んでいることを理解してあげる必要があります。

小学生でもお風呂に入らないことはある

中学生に限らず、
小学生でも不登校になるとお風呂に入らないことがあります。


低学年の子でも、外界との関わりが減ると、
自分をケアする意欲そのものが落ちてしまうことは珍しくありません。

年齢にかかわらず起こる現象ですので、
「まだ小さいのに」と落ち込まないでくださいね。

元不登校の子の何人かに聞いてみた

デリカシーのない話ですが何人かに聞いてみました。
お風呂に入らないことがあったかを。

★1人目

逆に長い時間に入っていて怒られたとのこと。学校に行かないのに「良い時間帯」にお風呂を独占して家族に迷惑をかけたそう。

⇒5人家族なので大変だったそうです。

★2人目

お風呂は楽しみで夜中に入っていたとのこと。
サウナ状態にしてやせるような工夫もしていたそうです。

⇒電気代がすごいことになりそうですね。

★3人目

あまり気が進まずに3日に1回程度にシャワーを浴びるくらいだったそう。
親からは入れと言われたがなぜ1日1回なのかが理解できなかったとのこと。

⇒たしかに海外だと1日1回の入浴というのはありえない地域もあるようですね。
世界の乾燥している地域など。

日本人は世界でも有数のお風呂好きの国民

休みの日は筆者もお風呂に入らないことがある

少し汚い話で恐縮ですが、

筆者自身も、休みの日にお風呂に入らずゴロゴロしてしまうことがあります。

もちろん、大人なので翌日には入りますが、

「動きたくない」

「何かめんどうくさい」

そんな気持ちは、とてもよくわかります。

一人暮らしだと「明日でいいか。アニメでも見よう」となりがち。
不登校の時はお風呂に入らないことはありませんでしたが、
大人になって体力が落ちるとその気持ちが分かる気がします。

ましてや心が疲れている子どもたちにとって、
入浴は私たちが想像する以上に大きなハードルになっているかもしれません。

【支援現場での実感】多くの子が必ず入れるようになる

これまで多くの不登校の子どもたちを支援してきましたが、

「一生お風呂に入れないまま」という子は一人もいませんでした。

悩んでいる渦中でも「何か月もお風呂に入っていない」
ということは物理的に難しいので聞いたことがありません。
(髪の毛を切らないのと違って身体は痛くなる)

「お風呂に入らない」と言っても数日のことがほとんど。
入っていないわけではないのですね。

今は動けなくても、心が元気になったり、
生活リズムが整ったりすれば、自然と入浴回数も増えます。

焦る必要はありません。

子どもたちはちゃんと、自分の力で回復していきます。

【親ができること】小さなステップを一緒に

無理に「お風呂に入りなさい!」と叱ると、

さらにプレッシャーを感じて逆効果になることも。

まずは、

・顔だけ洗う

・手だけ洗う

・足湯をしてみる

など、「全部じゃなくていいよ」という小さな提案から始めてみてください。

また、「一緒にやろうか?」と声をかけるだけでも、プレッシャーを減らせます。

入浴が「義務」ではなく「ちょっと気持ちいい時間」になれば、
子ども自身が動きやすくなります。

【まとめ】不登校のお風呂問題:大丈夫。必ず、またお風呂に毎日入れるようになります

不登校になり、お風呂に入らない子どもを見ると、
親としては本当に不安で、心配で、つらいと思います。


「このまま、どんどんダメになってしまうんじゃないか」

そんな不安に押しつぶされそうになることもあるかもしれません。

でも、大丈夫です。

たとえ今は入れなくても、

安心できる環境と、温かいまなざしの中で、

子どもたちはちゃんと、回復していきます。

あなたが今日も悩みながらも向き合っていること、

それ自体が、お子さんにとって大きな支えになっています。

無理に変えようとしなくていい。

焦らず、寄り添いながら、
小さな回復を一緒に見守っていきましょう。

【この記事のポイント】

  • 不登校になるとお風呂に入らない子は意外に多い。

  • お風呂に入らないのは怠けや甘えだけが原因ではない。

  • 医療機関に相談しても「病気ではない」と診断されることが多い。

  • 発達障害の診断がなくても入浴拒否は起こりうる。

  • 中学生女子は思春期のボディイメージの問題で入浴を避けることもある。

  • 小学生でも不登校とともにお風呂に入らなくなるケースがある。

  • 筆者自身も休みの日にお風呂に入らないことがあり、気持ちは理解できる。

  • これまで支援してきた多くの子どもたちは、いずれ必ずお風呂に入れるようになった。

  • 入浴を無理強いすると逆効果になることがある。

  • 足湯や顔を洗うだけなど、小さなステップから始めると良い。

  • お風呂を「義務」ではなく「リラックスできる時間」として提案することが大切。

  • 親自身も不安や疲れを感じるのは当然であり、まずは自分をねぎらうことも必要。

  • 子どもの回復には安心感と信頼が不可欠であり、焦らず見守ることが大事。

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