高卒認定試験は、「簡単すぎ」との声が一部で聞かれる試験ですが、その実態はどうなのでしょうか。
この記事では、高卒認定試験を受けようと考えている方や興味を持っている方に向けて、その難易度や合格に必要なポイントをわかりやすく解説します。
試験の基礎的な内容や独学での合格可能性、過去問の重要性、さらに試験後の可能性についても掘り下げていきます。
「簡単すぎ」と言われる背景には、試験の性格や工夫次第で楽に合格を目指せる点が大きく関係しています。
この記事を通じて、高卒認定試験の全体像を理解し、自分に合った準備方法を見つけていただければ幸いです。
科目履修制度という必殺技についてもご紹介しています。
さっそく、高卒認定試験の具体的な内容に迫ってみましょう。
ポイント
- 高卒認定試験の基礎的な内容と難易度の低さ
- 試験合格に必要な準備方法や対策の重要性
- 科目履修制度や過去問活用による効率的な学習方法
- 合格後に得られる進学やキャリア形成の可能性
高卒認定試験が一部で簡単すぎと言われる理由とは
高卒認定試験は基礎的で独学でも合格可能
高卒認定試験は、中学から高校1年生程度の基礎的な内容で構成されています。
そのため、しっかりとした計画のもとで学習すれば、独学でも合格は十分可能です。
特に、試験はマークシート形式で出題され(4択か5択)、合格ラインが100点満点中ほぼ40点程度と比較的低く設定されているため、基礎を押さえた勉強が重要です。(*以前は合格点は40点から50点と言われていた)
具体的には、市販の高卒認定試験用の問題集や過去問を活用することで、効率的な学習が進められます。
また、独学であっても、試験範囲を計画的に進めることで、試験本番への準備が整います。
一方で、試験科目が複数にわたるため、試験日程に合わせて無理のない学習スケジュールを組むことがポイントです。
このように、高卒認定試験は独学でも合格を目指せる試験ですが、準備不足のまま挑むことは避けましょう。
数学や国語、英語などの問題内容と合格基準
先述のように高卒認定試験の数学や英語などは、中学校から高校1年生までの基礎的な内容が中心です。
例えば、数学では簡単な計算問題や二次方程式が出題されます。
二次関数の平方完成までできれば合格が見えてきます。
統計までできると確実ですがこちらの動画で対策可能なので見ておきましょう。
国語では文章の読解力を試す問題が多く見られます。日本語が読めれば合格点の40点は充分に可能でしょう。
国語では古文や漢文も出題されますが正答できなくても合格点に到達するはずです。
どの科目も高度な学力を求められることはなく、基礎を押さえていれば十分に対応可能です。
合格基準としては、100点中40点を取れば合格できるため、高得点を狙う必要はありません。
マークシートなので記述式の試験と違い得点も取りやすいです。
ただし、軽く見ると痛い目にあうこともあります。
試験対策として、問題集や過去問を繰り返し解くことで基礎を固めると、試験本番でも自信を持って取り組むことができるでしょう。
ノー勉では厳しい理由:科目ごとの合格率と全体の合格率の違い
高卒認定試験は基礎的な内容とはいえ、ノー勉強での合格は難しいのが現実です。
科目ごとの合格率は約80%から90%と高めですが、全科目の合格率は約45%前後にとどまっています。
この数字の違いが示すように、全ての科目をクリアするためには、それなりの準備が必要です。
試験科目の多さが辛い所です。
6教科8~9科目を1度に受験する場合、単に基礎知識があるだけでは不十分で、全体を網羅する学習が求められます。
例えば、数学が得意でも英語や地理に苦手意識があると、そこで不合格になる可能性があります。
ただし、年2回受験できるので一度にすべての科目を合格する必要は無いのですが。
高卒認定試験は過去問研究をしないと「落ちた」となる
高卒認定試験に挑戦する際、過去問研究は欠かせません。
試験内容が基礎的とはいえ、問題の形式や出題傾向を理解することで、効率的な対策が可能になります。
過去問はダウンロードはこちらの文部科学省のサイトから。
過去問は試験の難易度や頻出分野を把握する上で非常に役立つこと間違いなし。
例えば、数学では関数や統計の問題が毎年のように出題される傾向があります。
どちらも対策をすれば簡単ですが対策なしだと難しいでしょう。
過去問を解くことで、これらの重要な単元に慣れることができ、本番でのスムーズな解答につながります。
また、国語や公民では、設問の文章形式に慣れることが得点アップのカギです。
さらに、過去問を繰り返し解くことで、時間配分の感覚を掴むことができます。
高卒認定試験の救済措置としての性格と問題傾向
高卒認定試験は、何らかの事情で高校を卒業できなかった人に向けた「救済措置」としての性格が強い試験です。
そのため、試験の内容は難解ではなく、基本的な学力を測る構成になっています。
試験問題は、基礎知識を問うものが中心です。
例えば、地理では地形や国の特徴などの基本的な知識を確認する問題が多く、公民では文章を読んで解答する形式が主流です。
このように、知識だけでなく文章を読み取る力を問う内容も含まれるため、問題文を丁寧に読む姿勢が重要です。(逆に言えば知識がなくても正解できる問題も意外に多いと言えます)
また、この試験の性格上、マークシート形式での解答が採用されていることも、受験者にとって取り組みやすい特徴の一つです。
4択や5択だと適当にマークしても20点は得点できる計算となります。
さらに、高校を中退したとしても単位を取得していた場合は免除となる科目もあります。
この仕組みは、多くの人に公平なチャンスを与えるための工夫とも言えます。
そして年に2回受けられるのです。安心してチャレンジしていきましょう。
高卒認定試験が簡単すぎと感じる工夫と対策
裏技として科目履修制度を活用した合格方法もある
高卒認定試験では、科目履修制度を活用することで、試験科目の一部を免除することが可能です。
この制度を利用することで、合格までの負担を軽減し、効率的に合格を目指すことができます。
例えば、国語のみを試験で受験し、残りの科目については科目履修生として学び、単位を取得する方法があります。
この際、通信制高校や専門の学習機関でのレポート提出やスクーリングが必要となりますが、試験対策に集中する時間を確保できるメリットがあります。
デメリットは費用がかかること。
科目履修制度の詳しい説明はこちらから。
また、この制度は特に多忙な社会人や、学習に対して不安を抱える人にとって効果的です。
一部の試験科目に専念できるため、全体の負担が減り、合格への道筋をスムーズにします。
この方法を上手に活用することで、無理なく高卒認定試験を突破することができます。
国語は合格しやすいので試験問題について早めに見ておきましょう。
費用と試験形式から考える対策のコツ
高卒認定試験は比較的低コストで受験できる試験ですが、事前に費用や試験形式を把握しておくことが重要です。
受験料は1万円以下と設定されておりますが、科目履修制度を利用する場合は、別途費用が発生します。これらを考慮し、予算を立てて学習計画を進めましょう。
試験はすべてマークシート形式で実施され、合格基準は各科目で40点程度です。
この形式を最大限に活用するには、選択肢を絞る練習や過去問演習が効果的です。
例えば、過去問を解く際には、制限時間を設けて本番さながらの練習をすることで、時間管理能力を高められます。
さらに、費用対効果を考えると、市販の問題集や無料のオンライン教材を活用するのが賢明です。これにより、コストを抑えつつ効率的に学習を進められるでしょう。
高卒認定試験でのデメリットと意見:やめとけという声も
高卒認定試験にはメリットだけでなくデメリットも存在し、「やめとけ」といった意見が出る理由も理解しておくべきです。
まず、試験に合格しても「高卒資格」ではなく、「高卒同等資格」として扱われる点が挙げられます。
そのため、履歴書の学歴欄には中卒と記載する必要があり、これが就職活動で不利になる場合があります。(大学を卒業すれば別)
また、高卒認定試験は高校生活のような人間関係や経験を得られない点がデメリットです。
文化祭や部活動といった高校特有のイベントを経験することはできず、その後の社会生活で共通の話題が欠けることもあります。
一方で、こうしたデメリットを受け入れた上で、自身の目標に向けて時間を有効活用できるなら、高卒認定試験は有用な選択肢となります。
特に大学受験を視野に入れている場合、この試験は次のステップへの大きな助けになるでしょう。
高卒認定から大学進学の成功例と可能性:東大に行く人もいる
高卒認定試験を突破し、その後大学進学を果たす例は多く存在します。
中には、東京大学のような最難関大学に進学した人もおり、この試験が人生のターニングポイントとなるケースが見られます。
筆者も高卒認定試験(昔は大検と言いましたが)を受験し、早稲田大学に進学しました。
高卒認定試験を受けた人の多くは、その後の大学受験に集中する時間を確保しています。
例えば、短期間で試験に合格し、残りの時間を大学受験勉強に充てることで難関校への道を切り開くことができます。
また、高認を経て進学した大学での学びを活かし、起業や研究活動など新たなステージで成功を収める人もいます。
このような事例を参考にすると、時間を効率的に使い目標を明確に持つことで、高卒認定試験は夢への第一歩となり得ることが分かります。
どのような目標を掲げるかによって、試験後の進路は大きく広がるのです。
高卒認定試験を効率的に準備する方法
高卒認定試験に合格するためには、効率的な準備が鍵となります。
まず、全体の試験範囲を把握し、自分の得意科目と苦手科目を明確にしましょう。
得意科目はスムーズに進め、苦手科目には重点的に時間を割くことで、全体のバランスを取ることができます。
注意点としては繰り返しになりますが、満点を取ろうとすると苦しくなることがあります。
合格点は40点と頭に叩き込みましょう。
試験対策としておすすめなのは、過去問を活用することです。
過去問は試験の出題傾向を掴むために最適で、特に繰り返し出題される問題に慣れることで、本番の緊張感を軽減できます。
また、科目ごとの問題集を購入し、基礎から段階的に理解を深める方法も有効です。
さらに、勉強の計画を立てる際は試験日から逆算し、無理のないスケジュールを作成することが大切です。
例えば、1日1科目に集中して取り組む日を作るなど、効率的に進める工夫をしましょう。
そして、試験会場の立地があまり良くないことも多いので、会場への到着は余裕を持つようにしましょう。
試験会場に遅刻すると大変もったいないことになります。
16歳からの受験で得られる時間の活用もある
高卒認定試験は16歳から受験可能であるため、早期に受験することで得られるメリットが多くあります。
特に、高校生活にとらわれず、自分の目標に向かって時間を自由に使える点が大きな特徴です。
例えば、試験に合格した後は、大学受験の準備や専門学校の入学に専念することができます。
また、資格取得やインターンシップへの参加など、将来に役立つ経験を積むことも可能です。
このように、試験合格後の時間を有効活用することで、同年代よりも一歩先を進むチャンスが広がります。
ただし、早期受験には自己管理能力が求められます。
勉強のペースを自分で調整し、計画的に学習を進める必要があるため、目標を明確にし、モチベーションを保つことが成功へのポイントです。
まとめ:高卒認定試験は「対策すれば簡単すぎ」
高卒認定試験は、多くの可能性を広げる鍵となる試験です。
年に2回受験のチャンスがあり、基礎的な内容で構成されているため、しっかり準備をすれば誰でも挑戦できます。
また、科目履修制度などの仕組みを活用すれば、合格への負担を軽減することも可能です。
この試験を通じて得られるのは、単なる学力証明だけではありません。
試験後に得た時間をどう活用するかによって、大学進学やキャリア形成といった人生の次のステージが大きく変わる可能性があります。
試験準備に取り組む中で、自分の強みや目標を明確にし、計画的に学ぶ姿勢を養いましょう。高卒認定試験を成功させることが、未来への第一歩となるのです。
- 中学から高校1年生程度の基礎内容で構成されている
- 合格基準は100点中40点程度と低めに設定されている
- すべてマークシート形式で記述式がないため取り組みやすい
- 数学は基本的な計算や二次関数や統計あたりをしておけば合格点が取れる
- 国語は普通の日本語の読解力があれば対応可能
- 科目ごとの合格率は80%以上だが全科目合格率は45%程度
- 6教科8~9科目の試験で負担が大きい
- 過去問の研究が試験対策の鍵となる
- 試験後の時間を有効活用できるメリットがある
- 科目履修制度を活用すれば試験負担を大幅に軽減できる
- 費用は比較的低コストだが履修制度利用時は別途費用が発生する
- 救済措置としての性格があり難解な問題は少ない
- 試験範囲を計画的に進めることが成功のポイント
- 高校生活の経験が得られない点はデメリット
- 試験は年に2回実施されるため再挑戦が可能