「不登校」。この言葉を聞いたとき、
多くの人が「問題がある」「かわいそう」といったイメージを抱くかもしれません。
こうした言葉からくるイメージが本人や家族を傷つけてしまい、
さらに元気がなくなるという悪循環をうみだしてしまいます。
言葉には、目に見えない力があります。
「不登校」という言葉が社会的なレッテルとなり、
本人やその家族を必要以上に傷つけたり、
孤立させたりすることもあるわけです。
そうした中、「不登校」という言葉を見直し、
もっと前向きで本人の尊厳を大切にした表現に言い換える取り組みが広がっています。
そのほうが学校にも行きやすいですし、
他の居場所などにも行きやすいのです。
この記事では、「不登校」をポジティブに言い換える意味や実例を紹介しながら、
私たち一人ひとりができる「言葉の選び方」について考えていきます。
不登校を経験した子どもたちには、
ある“共通点”があると感じています。
それは、
将来に活かせる大きな可能性を秘めているということ。
私自身が元・不登校だったことに加え、
16年間多くの不登校の子どもたちを見守ってきた経験から、
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不登校という言葉をなくすという動き
「不登校」という言葉は、
もともと教育行政上の分類として使われてきました。
しかし、この言葉には「本来行くべき場所に行けていない」
という否定的なニュアンスが含まれており、
本人の選択や状況を正しく表していないという指摘もあります。
なので、真面目な子だと罪悪感から、
さらに気を病んでしまいます。
現代は、文部科学省が言うように学び方や生き方が多様化している時代です。
登校という形にこだわらず、家庭で学んだり、フリースクールを利用したり、
オンラインで自分に合ったペースで学習することも、立派な「学び」の一つです。
それなのに、「不登校」という言葉でくくられてしまうと、
「普通じゃない」とみなされてしまうことがあります。
「不登校という言葉をなくす」というのは、
登校しない子どもをゼロにすることではありません。
それは、「不登校」というネガティブなラベルそのものを使わずに、
もっと多様で前向きな言葉で現状を表そうという動きなのです。
「学校に行っていない」ことを責めるのではなく、
「今は別の形で生きている」ことを尊重する
――そんな社会にしていくために、まずは私たち大人が、
使う言葉を見直すことが求められています。
*一部の人たちと違い、再登校を否定しているわけではありません。
むしろ自己否定のループを断ち切ったほうが再登校もしやすいでしょう。
不登校のポジティブな言い換え例を紹介
「不登校」という言葉がネガティブな印象を持たれやすいのに対し、
近年ではそれを前向きにとらえなおす言い換えが広がっています。
これらの言葉は、子どもたちが「何かができていない存在」ではなく、
「今の自分を大切にしている存在」であることを示すために生まれました。
たとえば、「マイペース登校」という表現は、
学校に行く・行かないを自分の心と体の調子に合わせて決めることを前提にした、
柔らかな言葉です。
また「自分スタイル学習」や「探求期間」といった言い方も、
子どもが自分らしく生きるための時間を肯定的にとらえています。
他にも、フリースクールやホームスクーリングに通っている子どもに対しては、
「オルタナティブ教育の選択者」や「家庭ベース学習者」などの呼び方も使われ始めています。
これらの表現は、単に「学校に行っていない」ことだけを問題視するのではなく、
その子がどこで・どう学んでいるかに目を向ける視点を持っています。
こうしたポジティブな言い換えは、本人だけでなく、
保護者や周囲の人々の気持ちも楽にしてくれます。
そして、社会全体が「登校か不登校か」という二項対立を超えて、
多様な学びを受け入れる土壌づくりにもつながっていきます。
*別の居場所を経ての再登校は多くあります。
登校か不登校かの2択は再登校のハードルを高くしてしまっている現状があります。

適切な高さの階段であることが大事
他に不登校の言い換えで印象に残ったものをあげます。
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在宅学生
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リモート学生
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未来デザイン中
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自主休講
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充電中
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フレックス通学
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自由登校児
「登校拒否」、「不登校」 しっくりこなかったが、
言い換えとしては「自主休学」、「自主短期休学」で決まりかな— 金森國臣 / 新訂・最新軍事用語集 英和対訳(日外アソシエーツ)を出版中 (@megiya) July 20, 2013
バーチャルスクールスチューデント?
不登校のクールな言い換えか?— 小原美香子 (@alen_bluebee) October 16, 2022
本人の尊厳を守る言葉選びとは
子どもにとって、周囲の大人がどんな言葉を使うかは、
とても大きな影響を与えます。
「また学校行けなかったね」「早く普通になろうね」
――そんな善意のつもりの言葉でさえ、
子どもは「今の自分ではダメなんだ」と受け取ってしまうことがあります。
大切なのは、子どもを評価するのではなく、
今その子が感じていることや選んでいる行動を、
否定せずに受け止める言葉を選ぶことです。
たとえば、「今日はゆっくり休めたね」「自分の気持ちを大切にしてるね」という声かけは、
子どもの内面を認め、尊重する姿勢を表しています。
また、「不登校」という言葉を避けて、
「今は別の学び方をしている」「今は立ち止まっている時間」と表現することで、
本人にとってもその状況が肯定的に感じられます。
言葉は行動や心のあり方に影響を与えるものだからこそ、
本人の尊厳を守り、励ましとなるような表現を心がけることが重要です。
社会全体が「普通」や「当たり前」にとらわれず、
それぞれの子どもが自分らしく過ごせることを前提にした言葉を使っていくことで、
子どもたちは自分の存在そのものを肯定できるようになります。
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「不登校支援」から「多様な学びの支援」へ
かつては「不登校=支援対象」「学校復帰がゴール」とされる風潮が強くありました。
しかし今、多くの専門家や教育関係者が
「そもそもすぐに学校に戻すことだけが支援ではない」と声を上げ始めています。
なぜなら、子どもにとって大切なのは「自分が安心して学べる環境にいること」であり、
それが必ずしも従来の学校である必要はないからです。
フリースクールやホームスクーリング、オンライン学習など、
さまざまな形の学びが社会の中に広がっています。
これらはすべて「本人にとって最適な学び方」であり、
「別の学びの道」であるべきです。
そのため、支援のあり方も「学校に戻すことだけを目的としたサポート」から、
「本人の意思とタイミングを尊重し、自立を支えるサポート」へと変わりつつあります。
たとえば、「安心できる居場所をつくる」「自己肯定感を育てる」
「学びを止めない仕組みを用意する」といった、
より包括的で柔軟なアプローチが求められています。
保護者にとっても、「登校させなきゃ」というプレッシャーから解放され、
「この子に合った学びを一緒に探そう」という姿勢へと変化することが、
親子関係をより健やかに保つ鍵となります。
「不登校支援」ではなく「多様な学びの支援」という視点。
これが、子どもたちの未来をひらく第一歩です。
言葉を変えると世界が変わる
「言葉」は私たちの世界の捉え方を大きく左右します。
ある子どもを「不登校」と呼ぶのか、
「自分のペースで学ぶ子」と呼ぶのか。
その違いは、ただの表現の違いではありません。
前者は欠けているものに焦点を当て、
後者はその子の可能性を見ようとする視点です。
言葉を変えると、見える世界が変わります。
そして、見える世界が変われば、子ども自身の自己評価も、
周囲のまなざしも変わっていきます。
ある子が「自分は学校に行けなかった」のではなく、
「自分に合う学びを見つけた」と語れるようになったとき、
その心の景色はまったく違うはずです。
社会も少しずつ変わってきています。
子どもの個性を尊重する教育現場、居場所づくりに尽力するNPOや民間団体、
保護者同士が励まし合うコミュニティ。
そうした動きは、すべて「言葉を変える」ことから始まっているのかもしれません。
一人ひとりが、自分の使う言葉に少し意識を向けること。
それが、子どもたちの未来をやさしく照らす光になります。
今ここから、あなたの言葉で、小さな希望を広げてみませんか。
おわりに:不登校をポジティブに言い換えると
「不登校」という言葉に代わる、もっと前向きでやさしい表現を探す
――それは、子どもたちが自分らしく生きられる社会を目指す、
小さいけれど大きな一歩です。
私たちはつい、「普通はこうだから」「みんなと同じように」という枠組みの中で、
子どもを見てしまいがちです。
でも実際には、子どもの数だけ生き方や学び方があっていい。
むしろ、そうでなければ一人ひとりが持つ可能性は輝けません。
言葉は、誰かを傷つけることもあれば、
誰かを守ることもできます。
子どもたちの尊厳を守り、希望を支えるために、
まずは大人の私たちが使う言葉を見直してみましょう。
「不登校」ではなく、「探求中」「自分らしい時間」「マイペース学習」など、
本人の選択や歩みを認める言葉を選んでいく。
その積み重ねが、優しい社会をつくっていくはずです。
今日から、あなたの言葉を少しだけ変えてみませんか。
それが、誰かにとっての大きな救いになるかもしれません。
不登校を経験した子どもたちには、
ある“共通点”があると感じています。
それは、
将来に活かせる大きな可能性を秘めているということ。
私自身が元・不登校だったことに加え、
16年間多くの不登校の子どもたちを見守ってきた経験から、
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記事のまとめポイント(要点整理)
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「不登校」という言葉には否定的なニュアンスが含まれており、子どもの尊厳を傷つける可能性がある。
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学校に行かないこと=問題ではなく、「今の自分に合った選択」であると捉える視点が大切。
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言葉を変えることで、本人も周囲も前向きに現状を受け止めやすくなる。
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「マイペース登校」「自分スタイル学習」「探求期間」など、肯定的な言い換えが増えてきている。
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本人の気持ちや選択を尊重することが、最も効果的な支援につながる。
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「不登校支援」ではなく「多様な学びの支援」へと視点を転換する必要がある。
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フリースクールやオンライン学習など、学びの選択肢は広がっている。
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保護者も「登校させること」を目的とせず、子どもの安心と成長を見守る姿勢が求められる。
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周囲の言葉かけ一つで、子どもの自己肯定感が大きく左右される。
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社会全体が「普通」や「当たり前」への固定観念を手放すことが重要。
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一人ひとりの大人が使う言葉を少し変えるだけで、子どもたちの未来に希望の光が差す。
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「言葉の力」が、支援にも偏見にもなりうることを忘れてはならない。
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まずは自分自身が「不登校」という言葉に対する価値観を見直すことが第一歩。